少し前に、将棋倶楽部24で5年かかって初段になりました。
級位者時代、私が愛用した棋書を紹介します。
古い本もありますので、入手が難しいかもしれません。
なお2019年8月時点で入手しやすさも考えてすこし選びなおした記事はこちらです
ウォーズ最近電車でやってます。なんだかんだ3段あるので、ウォーズの初段になれない人も参考にしてみてください。
ここにある本は24で10級になれない人や、ウォーズで初段に勝てない人に強くお勧めする
ここで紹介する以外にもたまに将棋カテゴリで将棋の記事を書くときに棋書を紹介するつもりではいる。メインは僕の糞画力向上過程を自分用に掲載することが狙いのブログだが。
1.手筋の力 初級編
- 作者: 週刊将棋
- 出版社/メーカー: 毎日コミュニケーションズ
- 発売日: 2007/10/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 1人 クリック: 1回
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僕は結構な数の棋書をもっていたけど、もっとも僕の棋力に貢献したのはこの本だと思う。全200問、3択次の一手形式で、序盤中盤終盤、受け攻めと多彩な問題がある。
手筋や次の一手の本は結構あるが、だいたいがこれよりやたら難しいかずっと易しいかで、はがゆいものである。この本は15級から初段までお勧めできる、と信じている。
この本は序盤や終盤がごちゃ混ぜになっている。傾向として、終盤の問題はちょっとむずかしい。
駒を大きく大胆に使う問題が比較的おおいため、ウォーズで級位社の人は読むとたぶん相手に大技をかけることができるようになると思う。
この本を解いていくと、だんだん相手の陣形の不備を咎められるようになると思う。なんか変だな、と思えるようになるし、実際にどう咎めるかを考えることができるようになる。
2019年9月追記
キンドルアンリミテッドの対象になっていました。
キンドルアンリミテッドは月額500円払えば、対象の本を何冊でも読み放題のサービスです
ビジネス書がよく対象になっています興味のある方はぜひ。
絶版になった本や入手の難しい本が対象になっているケースもあります。
2.佐藤康光の寄せの急所、囲いの急所
おすすめの棋書は、と誰かに聞けば、必ず名前が挙がるくらい有名な本。いまさら紹介するまでもないかもしれない。続編に「
」がある。こちらもおすすめ。
囲い別に崩し方のセオリーを解説する。理想的な崩し方なので実戦でそのまま現れることは少ないが、プロの将棋でも狙い自体はしょっちゅうでてくるため、おすすめである。
この本の崩し方を目指して攻めを組み立てたりしていく。逆に、この攻めを食らうと一瞬で囲いが崩壊するので、自陣の受けにも応用して使うことができる。特に低級のときは、この本の囲い崩しを参考にしている人が多いので、知らないと結構損する。
この崩しをくらわないように先受けする癖もつくので、とてもお勧めだ。
3.いわゆるひと目シリーズの「ひと目の端攻め」「ひと目の寄せ」
- 作者: 週刊将棋
- 出版社/メーカー: 毎日コミュニケーションズ
- 発売日: 2008/01/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 3人 クリック: 6回
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- 作者: 週刊将棋
- 出版社/メーカー: 毎日コミュニケーションズ
- 発売日: 2008/07/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 2人 クリック: 6回
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佐藤康光の本でイメージをつかんだら、この本たちでひたすら問題を解いていく。
この2冊は囲い別になっているし、基本中の基本の筋が凝縮されている。
ひと目の寄せはざっくり言って、「実戦の詰み」「実戦の必至」「受け」の
3つがある。康光本が囲いを崩す考え方をまとめた本だとしたら、この本はいろいろなパターンを覚えるための本だ。 寄せの本と並べたのは、寄せきれなさそうなとき端攻めまでからめると大体きれいに攻められるからだ。それとなんとなく上手になった気分がして気持ちがいいか。
ひと目の端攻めは囲い別の端攻めのやり方が書いてあっておすすめ。
5つの章立てになっていて、1章は基本と中盤のテクニック。これはウォーズ初段未満は必須。24でも10級に慣れない人は必須。
2章は終盤の端攻め。即詰みとしばりとある。これもウォーズ初段、24の10級未満未満は必須。
この本で最も価値が高いのが3章。囲いに対しての端攻めだ。この攻め筋は囲い崩しとしても基本中の基本で、これを知ってるか知らないかで攻めのバリエーションが違う。美濃、矢倉、居飛穴、振り穴、相振り穴、金無双、右玉、銀冠まである。
4章は駒落ちの端攻め。必須ではないが、応用はきくのでやってみよう。
5章は実践次の一手。ありそうな形の問題が多いので、筋として覚える価値はあると思う。端攻めを仕掛けた後、ビミョーに敵陣の形が崩れている状態の問題が多い。どうやって攻めをつなげるか?みたいな感じ。
ひと目の寄せ、ひとめの端攻めともに、そこに掲載されている手順を丸暗記してしまってもいいくらい基本である。特に端攻めは自分の攻めに一層磨きをかけてくれる。また劣勢の将棋は端を絡めてやると結構逆転できる。負け将棋を逆転する第一歩としてひと目の端攻めを読んでみてはどうだろうか
ウォーズの場合時間が非常に短いため端攻めの破壊力はかなりのものである。特に初段以下の人は端を攻められるととたんに崩れていくように思う。受け損なってそのままつぶれることが非常に多い。時間がないためあわてるのだろうか。特に自分が優勢だと思っていそうな人にはきわめて有効な手段である。
余談だが、僕は24で5~4級を駆け抜けた時代、相振り飛車の勝率がめちゃくちゃ高かったが、金無双と美濃囲いは端攻めだけで勝っていた。さすがに3級からはなかなか端攻めだけでは厳しくなってくるが、本当にこのあたり(ウォーズ2段中~下位)までは通ることが多かった。
4.鈴木大介の将棋 中飛車編
僕が生まれて初めてかった棋書であり、もっとも思い入れがあり、僕の将棋の骨格になった本。いまは中飛車をさすことはすくなくなったけど。
今は超速がでてきたこともあって、内容は定跡書としては使えないかもしれない。
でも指し手のイメージ、攻めのイメージをつかむのに、この本はものすごく役に立った。
攻めがうまい具合に決まっていくため、うまくやるイメージをつかむのには最良だと思う。たまに適当なタブで観戦するときがあるが、攻めや技がかかったときの最終イメージがないため、そもそも何したらいいかわからないのではないかという人が結構いる。
また、当然のことだが、この本の攻めパターンがそっくりそのままでることなんて強くなるほどなくなってくる。しかし実現したい狙いとして頭に常に存在するし、細かく手を重ねてこの本のパターンのようなことが実現したときは、爽快感は格別である。
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とりあえず紹介はこの辺で。
僕は基本的に最新定跡は必要ないと思っている。知らなくてもそれなりに何とかなる。特に将棋を始めたばかりのときは、まず、「攻めがうまくいく」という状態が何なのかわかってないはずだ。そしてどうやったら攻めがうまく決まるのかもわからないはずだ。そういう「成功パターン」を最新定跡よりも先に知ってほしい。
「成りゴマができたけどここからどうしたらいいかわからない」ならまずは囲い崩しと寄せ方を学習すべきだ。
中盤がよくわからないなら、次の一手問題をやるとか、寄付並べをするとか、そういったことが必要だ。
自分の使っている戦法があまり勝てないと思っているなら、その戦法が相手を木っ端みじんにしたお手本が必要だ。
私がここに挙げた本、特に1~3番は本当に級位社の人にはお勧めである。特にウォーズの初段になれない人にもっとも効果があると思う。