初段を目指す振り飛車党において美濃囲いの端歩は突くべきか突かないべきかは悩ましい。
端歩を突けば端攻めが来るし、端攻めされるとそのまま負けちゃう!
これはわかります。私もそうでしたので。
そこで、私の経験上の話と、「美濃囲いを極める77の手筋」の一部を使って、突くか突かないかのパターンを簡単に記そうと思います。いつかアップグレードします。いつか。
美濃囲いを極める77の手筋という本の第3章が極めて優秀なので、対抗型については細かい話はそちらを参照してもらいたいです。
①相振り飛車
相振り飛車においてはなかなか難しいんですよ。端歩を突くのが得になるかならないかって。
基本的には、△1四歩には▲9六歩としておけばいいんです。△1五歩には▲9五歩でバランスが取れます。
この場合は損はしていないという判断でいいでしょう。
そして原則これで良い気がする。
いずれ自陣の端歩を突いたほうが良いケース
桂馬で端攻めしてきそうなとき
端的に、桂馬で端を攻めてきそうだと思ったら即座についた方が良いです。
僕の経験上、端を突いてない美濃囲いに桂馬で端を攻めると一瞬で崩壊します。
<例>
何が嫌かというと、△2五桂~1三桂成で歩を取られるのが嫌なんです。▲1六歩としてあるだけで、後手は攻めを続けるのに歩が必要ですし、△1五歩とつっかける手も必要になります。参考図では4四角にかえて4四銀のケースもありますね。
いつ突くかですが、たとえば△4四銀した後タイミングを見てついたり、△3三桂としてきたときですね。△4四銀は銀での端攻めがないので、端攻めしてくるなら高確率で桂馬なんです。
△4四銀が向かい飛車であるのかは謎ですが、三間飛車では多い筋ですので、まぁここではまとめちゃいます。
突かない方が良いケース
銀で端攻めがあるとき。典型的には△2四銀としてあるとき
これでなぜ▲1六歩としないのかというと、△1五歩▲同歩△同銀があるからです。いわゆる相居飛車の棒銀の筋ですね。
あるいは△1五歩▲同歩△同香▲同香△同銀に▲2四香。むしろこっちの方が気持ち悪いですね。同香しなければいいんですけど、それならそれで端に駒がぐいぐいきてきもいんですよ。
ぶっちゃけ相振り飛車で△2四銀のときって端攻めするか玉頭に突っ込むかの選択しかないです。
向かい飛車を例にしていますけど、三間でも四間でも同じ話だと思ってもらってかまわないです。
②対抗型
原則すべて突きます。右玉以外については、相手が端歩を突かないならば、▲1五歩と伸ばします。
右玉相手の場合はなかなか難しいのですが、あまり端攻めが厳しいイメージがないので、突いた方がよいでしょう。たぶん角がそっぽ向いてるせい
突かないなどという選択肢はあり得ません。ただしついてる暇なく戦争になったときを除く
そもそも論としての端歩の価値
美濃囲いを極める77の手筋を参考にして端歩の価値を考えます。
著者の藤倉氏によると、美濃囲いには2・4・6定跡なるものがあると言います。
美濃囲いにおける2・4・6定跡を確認します。
・端歩を突かないとき
△3九銀▲1八玉△2八金の金銀2枚で詰みます。
・1四歩のとき
△3九銀▲1八玉△1七金▲同玉△2八銀打▲1八玉△1九銀成▲1七玉△2八銀不成▲2六玉△3五金まで金銀4枚で詰みます。
・1五歩型
△3九銀▲1八玉△1七金▲同玉△2八銀打▲1八玉△1九銀成▲1七玉△2八銀不成▲1六玉△2五金▲同玉△3五金▲1六玉△2五金打まで金銀6枚で詰みます
持ち駒に桂馬があったり、歩の位置関係だったりで盤上に桂馬があったりすると結論は変わりますが、目安としてはこれでいいでしょう。
とにもかくにも、端歩には非常に大きな価値があるということです。
2・4・6定跡、覚えやすいですね。
おまけ
相振りで他の囲いでどうなのか
・金無双の時
原則全部▲1六歩突いてください。
これは▲2八銀を▲1七銀として玉を広げたりする意味があります。
よほどの事情がない限り、突いて損がないです。
・矢倉の時、金美濃っぽいとき
美濃と同じ考え方でいいです。
・穴熊の時
絶対についてはいけない。
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