前回、前々回の記事ではこの局面での攻め筋を見てきました。
この手に▲同銀、▲同金は検討しましたが、▲同桂は検討していませんでした。後手有利になるからです。
実戦で出たので、今回は▲同桂への攻め筋の一例を記事にします。
図のように歩を打って後手が有利ですが、対応の例として
▲４六角、▲２二角、▲６五歩をみてみます。
まずは▲４六角です。
▲４六角△３七歩成▲同角△３三桂▲４六角△２九銀とすすみます。
途中△３七歩成に▲同金なら△５四桂などがあります。
△２九銀が鋭い手で、攻めをつなぐことができます。相手の守備金をはがすことができれば、手を作りやすくなります。
△2九銀から▲３五歩△３八銀成▲同玉△２四飛▲６五歩△３六金▲１六銀△１五桂とすすんだところです。後手優勢になっています。
先手は▲６五歩と攻め合いを目指してきた場合、守備駒が少ないのでうからなくなってしまいます。
▲６五歩に変えて▲１五銀と飛車をどかしに来た場合を見てみます。
▲３五歩△２四飛▲１五銀
△５四飛▲６五歩△３六金▲２八角△４五桂▲１一角成△５七飛成
図まで、後手優勢です。
次に▲２二角と打ってきた時を考えます。
▲２二角は攻め合いですが、後手がもたもたしていれば攻めゴマを攻める手もみています。
▲２二角には△４五桂をうちます。
手番を握るために▲３五歩△同飛▲３六飛△３七桂成▲同玉△３四飛とすすみ、▲1一角成としてきます。
ここで△３三桂と、遊びゴマを活用します。遅いように見えますが、後手の攻めゴマが少ないので仕方ありません。
この局面で先手は▲６五歩とするくらいでしょう。▲４八玉なら△３六飛ですし、▲３九香は△４九金、▲３八香は△４五桂▲４八玉△３七歩▲同香△２八銀で後手優勢です。
▲６五歩には△３五歩▲同歩△同飛▲３六歩△４五桂などで後手優勢になります。
図を再掲します。
ここで▲６五歩をみてみます。
この手にも△３七歩成▲同金としてから△４五桂を打ちます。
先手は、手番を取るために歩を叩いてくることが予想されます。
▲３五歩△同飛▲３六歩△３七桂成▲同玉△３四飛▲１一角成と進むでしょう
そこで習いある△３三桂とはねます。
このあと▲３五香や▲４六歩が予想されます。
▲３五香の場合は、△４五桂▲４八玉△２四飛などで飛車の成り込みがほぼ確定して後手優勢です。
また▲４六歩は桂はねを防ぐ手ですが、△３五歩▲同歩△同飛▲３六歩としてから△２五桂をはねれば手が続きます。（△２五桂▲４七玉△３七桂）
これで飛車の成り込みが確定します。
