僕が将棋を始めた10年くらい前は、ネット将棋は将棋倶楽部24が主流だったけれど、今は将棋ウォーズの方が人数が多くなっていますね。
とりあえず目指すのはどこで将棋をしていても「初段」とおもいます。
将棋ウォーズの初段を目指す人、特に1,2級でくすぶっている人に上から目線でアドバイスをしたいと思います。
僕は将棋倶楽部24で停滞していた時期があります。ウォーズでいうと初段あるかないかくらいの実力だったと思います、多分。そのときの経験をすこし思い出しつつ書いてみます。
将棋ウォーズ初段になるために、しなくてもいいこと
ウォーズの初段になるためには、勉強にメリハリをつけることが大事です。
特に社会人だと、時間ないし疲れてますよね。わかります。私も社会人なので。
序盤の定跡を必死に勉強することはやめよう
序盤の定跡を必死になって勉強する必要はありません。
なぜなら、絶対そんな変化、出てこないから。
出てこない理由は簡単で、相手が勉強してないから、そしてあなたが忘れているからです。
正直に言って、本で勉強した定跡の9割はでてこないです。私も全然定跡の厳密な知識ってないですけど、なんとかなっています。
では序盤で何を勉強すべきか?
それは以下の3つです。
いずれも、最善かどうか、定跡かどうかはあまり大事ではないと思います。
・よく使う戦法の典型的な序盤失敗→負けパターン
序盤早々に悪手を指して潰れてしまうとつまらないので、そういう失敗パターンだけは覚えておきましょう。少し思い返してみて、4,50手も持たずに負けた記憶がなければここはスルーで良いです。
少し不利くらいならスルーです。負け確定くらいになる変化以外、無視!
・よく使う戦法の攻め筋パターン
ココセ、つまり相手がわざとぬるい手を指した順でもいいので、あなたの戦法の狙い筋を数パターン覚えておきましょう。細かい形の違いは無視です。細かい変化も無視です。厳密には無理でも何でも構いません。
私の場合は、
・中飛車(角交換型)3パターン(中央突破、8筋逆襲、▲7一角打ちの筋)
・5筋位取り中飛車2パターン(中央突破、7筋逆襲)
・相振り飛車3パターン(対矢倉の菅井流、美濃金無双への8筋棒銀、▲6六角からの端攻め)
ぶっちゃけこれだけです。あとはその局面ごとに狙いを組み合わせたり、無理ならどうすれば狙い筋が実現するかをその場で考えます。
そもそも狙い筋の記憶がないと、その場でひらめかないといけなくなりますし、構想をたてることもできません。
定跡よりも自分の得意な土俵に相手を引きずり込みましょう!
・マイナー戦法で互角に無難に序盤を終わらせるまでの流れ
これも序盤でつぶれずに済んで、落ち着くまでの自分のパターンを確立すればいいです。
例えば対筋違い角は、私は角を打ち返しているのですが、△6五角▲5八金△7六角▲4五角までしか私は覚えていません。あとはゆっくりすすむのでその場で考えてます。
それ以上は時間の無駄です。どうせあまり当たりませんし。序盤が終わればあとは知識ではなく棋力の問題です。
鬼殺しとか、アヒルとか、パックマンとか、無難に終わればそれで良い。
プロの棋譜を「選ばずに」「無目的に」並べることはやめよう
プロの棋譜を並べるのは上達法として一般的です。私も否定しません。
でも、何でもかんでも並べればいいと思っていませんか?
たとえば、振り飛車党なら、相居飛車の棋譜を並べても効率が悪いと言わざるを得ません。得るものがないとは言いません。効率が悪いです。
ぶっちゃけ横歩取りの棋譜なんか振り飛車党の僕は並べたことありません。
棋譜ならべのコツ ~テーマを持とう~
棋譜ならべはテーマを持つといいです。
何を得たいのかを明確にすべきです。
例えば下記の感じで私はやることが多いです。
・サクサク並べて数をこなす
これは、こんどじっくり並べる棋譜を探したり、数を並べて何かを調べたりとかそういうときが多いですね。
・○○戦法の攻め筋を見る、凌ぎ方を見る
求める戦型での快勝パターンをみたり、愛用の囲いの守り方を見たり。
プロならどうやってるか?を求めてる。
私はこの場合、求める箇所以外は飛ばすことが多いです。
・棋譜を精査する
印象深いい棋譜があったとき、接戦の棋譜があったとき、時間をかけてじっくり精査して検討したり。
どうしてこの手を指したのか?今どっちが有利か?そんなかんじでやったりします。
テーマは各自自由で良いと思います。
でも効率は意識した方が良いです。
1日3局以上対局しなくていい
対局を減らして、自分の棋譜を検討してみてください。検討や反省がないと漫然と同じことを繰り返すことになる場合があります。
たくさん指せば伸びるかというとそうでもないです。初心者~初級くらいまでは慣れる意味でたくさん指した方が良いとおもいます。
でも、そうでないなら、対局ではなく検討に時間を割きましょう。
たくさん指したからって、たくさんなにかを得られるわけではないです。
何かを得るために、対局とは別のことが必要です。
検討のコツ ~いいところ3つ、悪いところ1つのススメ~
自分で自分の棋譜を並べて、自分なりに良いと思ったところ3か所みつけ、なぜいいかを考えて検討します。
次に悪いところ1か所探し、理由と、代案代案を出します。
3つと1つの理由は、悪いところばかり探すとつまらないからと、探すポイントが多すぎると疲れてきたり、時間がかかりすぎたり、検討することが嫌になるからです。
いいところを見つけたら、どうしてそれが良いと言えるか理由を探します。そうすれば、次の対局でも類似局面で同じ根拠で同じような手をさせます。
強い人から見たら緩手だったとしてもかまいません。自分なりにというところが大事です。
悪いところを見つけたら、なぜ悪かったのかを考え、ではどうすべきだったかを考えます。代案を探しても良くならないときは、もっと前から悪い可能性がありますね。
読みが悪いとか、方向性がよくなかったとか、色々あると思います。自分なりの理由を見つけてください。
もし、もっと検討できる!という人がいれば、それで構いません。
強い人に助言をもらってもいいですしソフトを使ってもいいですけどね。
ソフトで最善手は探さなくてもいい。
ソフトは非常に有用で参考になりますが、使わなくてもいいと思っています。
なぜかというと、強すぎるからです。
ソフトの示した最善手が、あなたにとって最善手かどうかって、微妙です。
最善手は、棋力で変わると思っています。
例えば、今101手詰めがあったとします。ソフト推奨の最善手は詰ますことです。
でも、そんなことできますか?私は無理です。無理な手を読む気にはなりません。
そして、よしんばさせたとして、次の手からずっと正確にさせますか?
ソフトの示す手が20手先で効いてくるとしても、20手先まで読み筋通りにさせないなら、意味ないのです。
ソフトの示す手は、ノーミス前提で切り込んでいくような手の場合もあります。
そんなリスク、とれますか?
自分の棋力から大きく乖離した棋力でないと役に立たないアドバイスを、最善だからと求めるのは間違っています。
ソフトを使うときは、こういうことに注意すべきです。
ソフトの示す手は確かに有用です。わからないことに答えをくれます。ですが、出してきた答えが役に立つかは、棋力によるのです。
だから私は、自分なりに検討し、自分なりの根拠で良し悪しを結論付けることが大事だと思っています。
強い人ならその辺をくみ取ってアドバイスをしてくれるかもしれませんが、そうそう人からアドバイスってもらえないんですよね、かなしいかな。
長くなってしまいました。
今後も、何か思いついたら、初段を目指す人に役に立てる記事を書いていきたいと思います。